『超新星=Super Nova』とは
異世界からの謎の侵略者『カオス』から地球を守る、勇敢な5人の少女によって構成される、超能力戦隊である。
…うそうそ。ここが「オリジナルストーリー」じゃないことはわかってるって!
石を投げるな、石を(笑)。
えー、おほん。気を取り直してきちんと言えば、今まで暗かった星が、1日〜数日の間に突然明るく輝きだす現象を「新星」といい、特に明るいものを『超新星(Super
Nova)と』とよぶ。
よく、期待の新人アイドルなどを「○○界の新星現る!」などというが、実は天文学的には、超新星は誕生したての星ではなく、巨大な星の最期の姿、星自身の大爆発であることがわかっている。
(ちなみに、新星は星表面における爆発である。)
そのため、超新星は普通『超新星爆発』と爆発を付けて呼ばれ、その性格をはっきりとさせている。
本文でも以下、「超新星」のことを特にことわり無い限り、「超新星爆発」と呼ぶことにする。
我々の住む地球に、常に光と熱を与えてくれる「太陽」という星がある。
こういうタイプの星を、一般に『恒星』という。
なお、これに対して地球や火星、金星、木星など自分で光を発しない星を「惑星」という。
普通、天文学などで一般に『星』と言った場合、惑星ではなく恒星のことを指すので、以下の文章でも「星=恒星」と考えてくれればいい。
さて、太陽のような星は一体どうしてあんなに熱く激しく萌えて…もとい。燃えているのだろうか?あれだけのエネルギーはどうやって発生しているのだろうか?
そんな疑問を小さい時に持ったことはないだろうか。
中には大人に聞いたり、自分で調べようとしても、はっきり答えてくれなかったり、調べてもなかなかわからないことが多かったのではないだろうか?
「子供の知ることじゃありません!」と教育ママが言いそうなことを言うわけではないが、小学生〜中学生くらいまでの知識だと、実はこのことを理解するのはまず無理なのだ。
このコーナーではだいぶ簡略化してあるが、それでもかなり難しい内容なのでこの後は居眠りなどしないでがんばって読んで欲しい。
まず、これを読んでいる人が高校生以上だったら、中学の理科か、高校の化学で「元素の周期表」というのを覚えさせられたことはないだろうか?
水素、ヘリウム、リチウム、ベリリウム…などが順番に奇妙な形の表に配置されていて、「すいへいりーべ、ぼくのふね…」など「こんなこと覚えて、将来なんの役に立つっちゅーねん?」とか思いつつ、テストのために覚えていまだに頭に残ってしまったなどはよくある話である(笑)。
さて、この元素、われわれの身の回りにあるすべての物質を構成する元になっているモノで、意外にも数は少なく百数種類しかない。
我々の身の回りの「物質界」では、これらの元素の最も小さい単位「原子」がものを作る元になっている。
原子とはプラスの電気を持つ「原子核」のまわりを、マイナスの電気を持つ「電子」が飛び回って、全体として電気的に「プラスマイナスゼロ」の状態にあることだ。
一個の原子は一個の原子核と、それを取り巻く1〜百数個の電子からなっている。
電子の質量(厳密には違うが、重さみたいなものだ)は原子核のそれと比べて著しく小さいので、原子の質量はほぼ原子核の質量といってよい。
我々の身の回りにある物質は、基本的にこれらが集まって出来ているのだ。
ところで少し話が変わるが、「水の三態」というのをご存じだろうか?
温度が上がって行くにしたがって、水は氷(固体)→水(液体)→水蒸気(気体)になる。これを「水の三態」という。
水素などでも同じで、温度を下げれば液体になるし(ただしとてつもなく下げなければならないが)、通常の温度だと気体になっている。
さて、この水素にばんばん熱を加えていくと、どんどん活発に動き出し、とうとう原子核と電子がバラバラにものすごい速さで飛び回るようになる。
こうなると通常の「物質」の状態ではもはや無く、『プラズマ』という全く我々の知る物質とは異なる性格を持ち出す。いわばプラズマは物質の「第四の形態」なのだ。
話が遠回りになってしまったが、太陽の主成分はこのプラズマ化した水素なのだ。
水素原子は通常一個の原子核と一個の電子を持っているが、プラズマになっているとそれぞれが別個に飛び回っている。
ほとんど光に匹敵するほどのスピードで飛び回っているので、当然あちこちで水素の原子核同士の衝突事故が起こる。
そして、水素の原子核4個がぶつかってくっつくと、そのうち二つが「中性子」という電気を持たない粒に変わり、一つレベルが上のプラス2の電気を持つ「ヘリウム」という元素の原子核が誕生する。
(ちゃらら〜ん♪というレベルアップ音は別にしない・笑)
そこでちょっとした現象が起こる。
ヘリウム原子核一個の質量は、水素の原子核4つの質量の合計よりほんのわずかだけ軽いのだ。
じゃあ、なくなっちゃったぶんの質量はどうなったのだろうか?
実はものすごい量のエネルギーに変換され、光と熱となって放出されているのだ。
この反応を『核融合反応』と呼ぶ。
これには膨大な熱と密度が必要であり、人類はまだこれを定常的に作り出すことは出来ない(水爆で瞬間的に作ることは出来る)。
自然界でこの現象が常に起こり続けているのは、星(恒星)の中だけなのだ。
だから夜空の星はほとんどが自力で光っているのである。
遠いから小さく見えてしまうけれどね。
これは非常に効率のいいエネルギーの生産の仕方で、太陽はもう50億年も光と熱を出しているし、これから先50億年は同じように出し続けるだろうと言われている。
ただし、よく歌の文句に言われるように、星の命も永遠ではない。いつかは終わりが来る。
と、いうのは原子番号26番の鉄が出来るとそこで核融合反応は終わってしまうからだ。
言い忘れたが、「元素の周期表」とは、元素を原子核内の陽子というプラスの電気を持つ粒子の数の番号順に並べたものだ。その陽子の個数を表す数字を原子番号といい、水素は1番、ヘリウムは2番になる。
一般に原子番号が大きいほど質量が大きい、つまり「重い」元素になる。
鉄は百数種類の元素の中の26番目でそう重い元素ではないが、非常に安定しているので鉄が出来た時点で星の中での核融合反応は打ち止めになってしまう。
太陽のような比較的質量の軽い星だと、その時点で星は大きな赤い星にふくれあがっている。この状態を赤色巨星(せきしょくきょせい)と呼ぶ。
これは核融合によって作られたガスで星が膨張しているからで、内部で核融合反応が終了すると、内側から膨らむ力を失い、自らの重力によってつぶれ、まわりに「ぷしゅぷしゅ〜」っとガスを吹き出してその一生を終える。
星の中心部には、ちいさな固まりが残り、しばらく白く光る。この星を白色矮星(はくしょくわいせい)と呼ぶが、やがて見えなくなってしまう。
こぎつね座の「あれい星雲」や、こと座の環状星雲などがその例になる。
ところが、元のガスが多い、つまり太陽より何倍も質量の大きい(8〜10倍以上と言われる)星だと、もっと劇的な最期を迎える。
赤色巨星になるところまでは同じだが、中心での核融合反応が終了し、内部からの圧力が無くなると星自身のすさまじくでかい重力で、一気に星そのものが崩壊するのだ。
この時、星のあちこちで重力により新しい核融合反応がおこり、凄まじい爆発が起こり、星自体が吹っ飛んで、まわりにガスやチリをばらまく。この時強制的に鉄より重い元素が作られる。
これが超新星爆発の正体である。この時放出されるエネルギーは、その星が一生かかって使うエネルギーの量に匹敵するとも言われている。
今から約1000年前の1054年、おうし座のかに星雲と言うところで大規模な超新星爆発が起こり、その模様は藤原定家の日記「明月記」ほか中国の書物、アメリカインディアンの壁画にも記されているそうである。
(現在、かに星雲は肉眼では見えないほど暗くなってしまっている。)
また、南半球で見られるりゅうこつ座のエータ・カリーナ星雲のエータ星は、不安定な活動をしていることが知られており、近い将来大規模な超新星爆発を起こすと考えられている。
さて、駆け足だが超新星爆発の説明はこんなところである。
最後になぜこんな末期的な現象をサイトのタイトルにしたのかその理由を話しておきたい。
それは、超新星爆発が星の死であると同時に、新しい星の誕生につながるからである。
先程述べたように、我々の身の回りでもすでに百何種類もの元素が存在している。そしてそのうちのいくつかは鉄よりも重い。太陽の中にすら、鉄より重い元素が存在していることがわかっている。
これは地球や太陽が生まれる前に、いくつもの星が生まれ、そして超新星爆発を繰り返して出来た物質が、地球や太陽の材料になっていることを意味している。
超新星爆発の凄まじい輝きと、一般にはよく知られていない星の最期の姿、そして今ある地球や太陽が、その「生まれ変わり」ともいうべき存在であること。
そんなことを盛り込んで、サイト名を「Super
Nova=超新星」とつけたのである。