瀬戸内海シージャック事件・魔王ダンテED 『heal』

今日は2本ほど動画を紹介したい。

最初の1本は「瀬戸内海シージャック事件」という事件の映像で、1970年(昭和45年)512日に発生した、旅客船乗っ取り事件です。また別名を「ぷりんす号シージャック事件」ともいいます。

山口県内で警察官を刺し、仲間と共に逃走した犯人の川藤展久という青年がライフルを強奪して愛媛県今治市行きの定期旅客船「ぷりんす号」に乗り込み、乗船を阻止しようとした警察官に発砲、負傷させた上、船長を脅迫して出航させた、という事件です。

川藤青年を駆り立てたのは仲間を警官に逮捕され、一人逃走する孤独からでした。


報道ヘリなどにはこれ見よがしにライフルを乱射した川藤青年も、乗客には危害を加えなかったと言います。

そして最後、川藤青年は「ぷりんす号」のデッキの上で、機動隊の手によって射殺されてしまいます。

その模様が動画にして全国に流され、お茶の間に大きなショックを与えました。これがその映像です。

衝撃的な事件です。何が彼をここまで駆り立てたのでしょうか。
「人は寂しいと悪魔になる。」と言った人がいます。
この青年も、幼くして素行不良の少年として満足に扱ってもらえず、最後には暴走の果てに社会的な力の前に殺されてしまったのかもしれません。

最期の言葉は「死んでたまるか、もう一遍…。」というものだったそうです。
彼はもう一遍生きて何をしたかったのでしょうか…。


もう1本はOVA『魔王ダンテED』「heal」です。僕の大好きなインディーズのシンガーソングライター黒木明日香さんの歌を耳にした記念すべき最初の歌です。
深い癒しの気持ちが歌われていて、映像もそれにあったものになっています。

「魔王ダンテ」という作品は悪魔対人間を描いた、デビルマンよりも以前に作られていた作品です。

太古の恐竜時代、もともと地球には先住民族がいて、平和で科学的な生活を送っていたのですが、それを「神」と呼ばれるエネルギー生命体が侵略したというところからそもそもの話は始まります。

優秀な科学者だった繁栄した国「ソドム」の天才青年ダンテは自分の作った超高性能飛行機に乗って「神」に立ち向かおうとしますが、飛び立った直後、プテラノドンのような翼竜と、ティラノサウルスのような恐竜に襲われてしまいます。

そこに「神」の凄まじいエネルギーの炎が浴びせられのですが、ダンテの強い意志はその神のエネルギーを吸収し、超高性能な戦闘力を持つ飛行機と、二匹の恐竜の強い肉体を持った新たな生命体、「魔王ダンテ」として生まれ変わります。

他の地球の先住民族も、それぞれ神の攻撃のエネルギーを吸収し、「悪魔」と呼ばれる異様な姿を持った、強力な生命体に変化します。
ダンテ達悪魔は神から吸収した超能力を使って、「神」と戦いますが破れ、ダンテは自分の肉体をイスカリオテのユダに預け、ヒマラヤの山中の氷壁の中に閉じ込められます。

未来へ飛ばされたダンテの精神は、現代の大学生宇津木涼(うつぎ りょう)として転生しますが、やがて自分の前に魔王ダンテが現れるという予知夢に悩まされます。


そして山岳部のキャンプに参加した涼は、嵐の中に飛び出してヒマラヤの山中、クレバスの奥にテレポートします。

心をユダに操られた涼は、永久氷壁を管理している機械を破壊し、魔王ダンテを甦らせます。


そして魔王ダンテ(心はユダ)の餌として食べられてしまいます(このあたり上半身だけで血まみれになってうごめく涼の姿などかなりスプラッタです)。
ところが涼はもともとダンテの本来の精神なので、ユダの精神支配を解き、涼自身が魔王ダンテとして日本に帰ってきます。

アニメ化に際しては、涼の妹の宇津木沙織という少女が単なる脇役から、重大な物語の鍵を握る人物に設定が変更されています。エンディングで白い翼を広げ、天使のようにイメージされる少女が宇津木沙織です。

そのエンディング映像がこれです。


この歌で一発で明日香さんのファンになってしまった僕は、その後路上ライブに度々顔を見せるようになりました。

この写真は2004年12月27日に新宿駅前で路上ライブしていた明日香さんとのツーショットを、友人に頼んで撮影してもらったものです。


今でも僕の宝物の一枚です。