S.I.C. 仮面ライダーキバ
2009年8月末、バンダイのS.I.C.シリーズ第50代目の節目の時期に商品化されたのが仮面ライダーキバのキバフォームである。
仮面ライダーキバは2008年1月27日から2009年1月18にかけてテレビ朝日系列で毎週日曜8時から8時半。いわゆる「スーパーヒーロータイム」の後半に当たる時間帯に放送された。
平成仮面ライダーシリーズとしては第9作目に当たる。
大きな特徴として挙げられるのが、紅渡(くれない わたる)を主人公にした現在(2008年)と、その父である紅音也(くれない おとや)を主人公にした過去(1986年)のストーリーが独立して存在し、それぞれが並行して描かれる事である。過去と現在の展開がオーバーラップしたり、現代で「結果」だけ提示された事象の経緯が過去で解説されたりと、一見関係のない親子二人の物語が密接に絡み合い、過去が現在に影響を与えながらストーリーは展開していく。
過去と現在を行き来するストーリーはかなり煩雑で、さらに敵であるファンガイア(パンパイアを名の由来にしたものと思われる。人のライフエナジーを吸い取って生きる吸血鬼)の女王が渡の母で、音也との間に儲けた子供が渡なのだが、音也の住んでいた洋館に幼い渡を残して長い間姿を消していたりするのだが、その間渡がどのようにして青年にまで育ってきたのかが描かれていなかったり、サブキャラがかなり入り乱れていてその一貫性がなかったり、キャッスルドランという巨大な城に竜が生えたようなものがなんの前説明もなくビルの一角から出て来たりと物語的には「?」と思うような点が多かった気がする。
主人公キバも様々に変身をして見せ、それに関して具体的な意味づけがなく、ある回にいきなりアイテムが登場して変身してみたりするのでちょっと見ていて戸惑った覚えがある。
まぁ物語の感想は人それぞれであろうから特にここでつっこんだ話はしないでおくが、主人公キバの一番メインのフォーム、キバフォームが今回S.I.C.化されたのだが、なかなか良くできていると思う。
そのキバはこんな感じ。
とりあえず父音也の遺した名器ブラッディローズが付属しているのでそれを弾かせたスタイルを再現してみた。こういう小物はなかなか凝っていて面白い。
S.I.C.がスーパー・イマジネイティブ・超合金の略であるのは周知の事実だが、実際に新しいコンセプトで造形されたものの中のほとんどはダイカスト部品がごく一部にしか使われておらず、「超合金」という呼称に何となく違和感を感じていたのもあるが、このキバは比較的ダイカスト部品を多用している。
両肩部分を覆う肩アーマーの大きなパーツがダイキャスト製というのはS.I.C.でも珍しいであろう。その他に両膝や手首、右脚の部分にはダイキャストが多用されている。
肩、右脚には金属製の鎖(カテナ)も使用されている。
次にキバの戦闘ポーズを再現してみた。
実際はもっと腰をかがめて、相手に飛びかかろうとするポーズをつけたかったのだが、下半身が不安定になってしまい、結局このスタイルにすることで妥協した。
右膝の下には青いUSBメモリのキャップをおいて支えたが、パッと見右膝が地面に着いていないように見えるようにした。
右脚の鎖(カテナ)を解放して放つ必殺キック「ダークネスムーンブレイク」。を再現可能。最初にこのシーンを観たときには、久しぶりに迫力あるライダーキックの出て来るシーンだったので感動したものだが、残念ながらシリーズを通じてこの技は多用されず、シリーズ初期に数回披露されたのみであった。
ベルト部分には「意志を持つコウモリ」キバットバットV世が装着される。フォームチェンジをしたりするフエッスルをくわえて吹く状態にも出来るが、あまりに細かくて分かり辛いので今回は割愛した。初回生産版にはキバットバットV世だけでも3タイプ付属している。
通常これが一番パッケージ写真などとして使われる、大きく翼を開いたタイプ(説明書にはBタイプとある)。
翼を折りたたんだ通称Aタイプ。こちらの方がこぢんまりとまとまっていてバランス的にはいいのだが、実際のキバではBタイプのものが多い。
なおどちらのタイプでもフエッスルを吹くシーンが再現できる。
ちょっと分かりにくいが初回特典のダイキャスト製キバットバットV世。形はAタイプ。ベルトへの装着の仕方はBタイプである。
おしまいは素立ち状態を前と後ろから。バランスが取れていてなかなか格好いいと思う。